Nov 30, 2007

Interview 07 : Inga Sempe


(c) Fillioux & Fillioux

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今回はフランスのデザイナー Inga Sempe にインタビューを行いました。彼女はフランスのリーン・ロゼを中心に各国のメーカーから作品を発表し、注目されています。
質問に対する彼女の答えからは、デザインへの純粋で熱い思いが伝わってきます。


DL(以下D): デザイナーになったきっかけは何かありますか?
Inga(以下I): デザインに興味があったからかしら。私は昔も今も変わらずオブジェクトや家具、日々の生活に興味があるわ。

D: 最も敬愛するデザイナーは誰ですか?また、どの様な影響を受けましたか?
I: ほかのデザイナーを尊敬するということが本当にないの。私の興味はオブジェクト自体にあってデザイナーではないからよ。大きな影響を受けるものといえばフリーマーケットと、そこで出会う名も無いものかしら。

D: あたらしい物をつくるときにインスピレーションを受けるものはありますか?
I: 私は自分に自信を持つ必要があると思ってる。私にとってほんの少し幸せになるということは、自分の好きなオブジェクトや家具をデザインすることを意味するの。何か新しいことをしたいと思うきっかけは、まず、ほかでもなく自分自身からくるわ。私は常に、新しい物やシェイプ、機能などを生み出す努力をしていなきゃならない。それが自分を幸せにしてくれる方法だとわかっているからよ。私には新しいものを発見したりデザインしたりするのが向いているのだと思う。例えば料理をとってみても、もし私が何かをとてもおいしく作れたとしても(年に一度くらいだけど)、それでデザインと同じような幸福感を得るということはないわ。

D: 今後チャレンジしたい素材や技法はありますか?
I: 木を使った作品をつくったことがないから、使ってみたいとは思う。だけど素材や技法をデザインのベースとすることはほとんどないわ。私のやり方はそれとは正反対なの。まずはアイデアを見つけて、次にそのアイデアにぴったり合う素材を探すのよ。

D: Suspensions lampやGrande lampのような大きな作品をデザインしていますが、サイズというものに何か特別な意味があるのでしょうか?それともただ大きなものを作るのが好きなだけですか?
I: 大きさ自体に何か特別な意味があるわけではないわ。それらの作品ではプリーツ使って大きなオブジェクトを作りたかったのよ。とても軽くて広がりをもつシェイプをだすことが出来る技術を使っているから、作品は大きくてもとても軽いわ。

D: 訪日したことはありますか?もしあれば、その時の印象を教えてください。
I: 日本には2度行ったことがあって、大きな驚きを受けたわ。東京と京都へ行ったのだけど、とても気に入った。また日本にいくのが待ち遠しいわ。できれば日本の企業とも仕事をしてみたいわね。

D: 日本のマンガやアニメがフランスで人気だと聞きましたが、デザインという観点から日本の文化や伝統についてどう思いますか?
I: マンガについては全く興味がないの。(息子は夢中よ) 日本の文化や伝統についていうと、それらは、日本のものづくりの優美さや正確さを賞賛するヨーロッパのデザイナーたちに大きな影響を与えていると思う。

D: スタジオのあるパリの街の良いところと悪いところを教えてください。
I: まず悪い点は、どんどん巨大で高級なスーパーマーケットが増えていること。貧しかったり平均的な生活水準のひとびとのための店がほとんどない。それと美術館が高くて旅行者のためのつまらないものになってしまったこと。実際にそこで生活している市民が訪れる機会はめったに無いわね。良い点は、パリは私が生まれ育った街だということ。マイホームよ。

D: フランスはイタリアのようにファッションで有名な国です。今イタリアのアルマーニやボッテガ・ベネタのようなファッションブランドが次々とホームコレクションを発表していますが、フランスでも同じようなムーブメントはあるのでしょうか?また、フランスのファッションデザインとインダスリアルデザインとの間には何か相互関係があると思いますか?
I: そういったムーブメントは今のところはないみたいね。ファッションデザインとインダストリアルデザインに相互関係があるときには概してつまらないことが多いと思う。そういう場合のインダストリアルデザインは、プロダクトデザインの業界ではなく、変遷の早いファッション業界に迎合するよう、表面上のルールに縛られてしまうから。

D: デザインを学ぶ日本の若者やデザイナーを目指す人に何かアドバイスをお願いします。
I: デザインした95%のプロジェクトがキャンセルされたりダメを出されたりすると思ったほうがいいわね。だけどそれってよくあることよ。だからとにかく続けること。


Merci Inga!
J'attends pour voir votre nouveau travail.


D: What brought you to be a designer?
I: I got into design because, I was and I am interested in objects, furniture and daily life.

D: Who is the designer you respect the most? And in which way has she/he influenced you?
I: I am not really into respect for designers, because I am more interested in objects, than into designers. My biggest influence was always the flea markets and there anonymous objects.

D: What inspires or leads you to new creation?
I: Because I need to be proud of myself, and being a little happy with myself means trying to design something, an object, furniture, that I would like. I mean that what makes me want to do new thing, is firstly myself: I need to try to invent things, shapes or functions, because this is the way I have found to feel sometimes happy about myself. And finding, or designing new objects is the field that I need to be in. Cooking, for instance, even if sometimes I can cook something delicious ( once a year) doesn't make me feel happy about myself, like designing...

D: Are there any materials or innovations that you would like to try in the future?
I: I never did any objects with wood, so I would like to try to use it. But the material or an innovation are rarely the base of my design. It is the opposite : I try to find an idea, and then I look for some material that would fit my idea.

D: You sometimes design big objects such as Suspensions lamp and Grande lamp, what does the size of object mean for you? Is there special meaning or you just like to make it bigger?
I: It doesn't mean anything special. The interest was for me with those objects to build huge objects using the pleats, technic that allow to to build very light and extensible shapes, so light but huge objects.

D: Have you ever been to Japan? If you have, where did you go and how did you like it?
I: I've been twice in Japan, and it was a big surprise : I loved it. I went to Tokyo and Kyoto. I can't wait to go back again, and hope to work for Japanese companies.

D: I've heard that Japanese Manga(comics) and animations are attracting some people in France What do you think about Japanese cultures or traditions from a design perspective?
I: I am not into Mangas at all ( but my son is). About Japanese cultures and traditions, they are of a big influence for european designers who admire the delicacy and precision of some Japanese objects.

D: How do you describe the city of Paris where you're living? In good or bad way?
I: In bad way : it becomes more and more a huge luxe supermarket, with no more place for poor or even average people, it is so expensive that it becomes a kind of boring museums for tourists, with no opportunity for the real inhabitant.
In good way : it is my home, I was born there and still live in Paris


D: France is famous for its fashion scene same as Italy. Fashion brands, in Italy, tend to launch their home collection for example Armani Casa and Bottega Veneta. Is there a movement like this also in France? And do you think that there is some kind of interaction between fashion design and industrial design in France?
I: Not for the moment. and I think that usually when there is an interaction between fashiond deisgn and industrial design it is really boring, because IT makes industrial design ruled by superficial laws that can correspond to the quick fashion industry but not to the products and objects industries.

D: Any advice or tip to young Japanese who are studying design and aim to be a designer?
I: One has to know that 95% of the projects that one designs are cancelled or refused, but this is normal. So keep on trying.
posted by DL at 12:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | interview

Nov 29, 2007

Lucy Renshaw


Spoon Lamp, Electic Collection Lamp


Green Knitt


Hybrid Lamp Chair


Limein Chair

テキスタイルデザイナーの Lucy Renshaw は、ロンドンのRCA(Royal College of Art)でテキスタイルについて学びました。2006年にRCAを卒業した彼女は、自身のスタジオを設立し独自のテキスタイルを用いたランプや家具の製作を行っています。
Lucy Renshawのテキスタイルは、カリブ諸国や南アフリカからの影響を受けたヴィヴィッドでエキゾチックな色彩をもちます。彼女は、刺繍やスクリーンプリントなどの装飾を組み合わせて個性的なパターンを作り出します。そのテキスタイルから生まれる家具は、伝統的な技術と実験的なアイデアに満ちていてユニークです。
また、彼女は美しいテキスタイルを作り出すだけではなく、リサイクルの布地や素材を再利用するなどして、環境問題にも取り組んでいます。

Lucyはリサイクルの布地だけではなく、廃品となった家具も作品に用いています。Hybrid Lamp Chairは、廃品のイスとスタンドランプ、テキスタイルを組み合わせ、新たな作品として蘇らせたものです。Limein Chairも壊れた2つのイスを1つに組み合わせた、少し風変わりな作品です。Limienとは、カリビアンのスラングでリラックスすることを意味します。
このほかにも、彼女はいくつかのイスやクションカバーなど実験的で色鮮やかな作品を発表しています。

RCAでの活躍を見出されたLucyは、2006年のロンドンでの100% Eastに参加しました。また、2007年にはTent Londonや、いくつかの展示会にも参加しています。
彼女の家具は廃品などを利用しているために、そのほとんどが1点限りのワンオフ製作となってしまいますが、環境問題に取り組みつつも美しく楽しい作品を作り出す試みは、大変今日的で共感できます。
posted by DL at 12:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | textile

Nov 28, 2007

TECHTILE







TECHTILE(テクタイル)展という、デザイナーやアーティストと研究者がコラボレートし、技術と触体験デザインに取り組んだ展示が東京大学の本郷キャンパスで行われました。11/23〜11/27までの会期で残念ながら展示は終了してしまったのですが、興味深い試みなので少し紹介したいと思います。

TECHTILEというネーミングはtechnology(技術)とtactile(触覚の)という単語からきています。触覚をテーマに工学とデザインとを組み合わせた作品が並びます。展示は東京大学の研究者、筧康 明 氏と仲谷 正史 氏、デザイナーのnosignerが実行委員となり主催されました。nosignerは、展示のVIと空間構成を務めています。
上の画像はnosignerによる、tacticicle 。10,000M以上の食品用ラップフィルムを重ねて巨大な氷柱(icicle)を表現しています。nosignerは、会場を構成する上で根源的な触覚について考えた結果、最終的に氷にいきついたといいます。氷の持つ触体験の想起をラップフィルムを用いて試みています。
会場にはほかにも、触を音の面から捉えた作品や視覚と触覚の違いを感じる作品などが展示されました。

近年では産学共同プロジェクトも増えてきていますが、先端テクノロジーや学術研究の進捗を垣間見る、このような展示は興味深いです。今後もこのような機会が増えていくとおもしろいのではと思います。
posted by DL at 11:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | messe

Nov 27, 2007

Timothy Schreiber


Morphogenesis


Pan_07


E_Volve_Table


Arctic Glasses

ロンドンを拠点として建築とデザインを手がける、デザイナーの Timothy Schreiber
Timothyは、ドイツとイギリスで建築デザインを学んでいます。彼のデザインは、デジタルデザインと製造手法との境界への探求とチャレンジによるものであり、社会的、環境的な持続性や審美性への厳しい分析の賜物でもあります。そのデザインはドイツ、バウハウス仕込みの建築学を応用しています。Timothyは、自身のスタイルを"ポップ・モダニズム"と表現しています。
Timothyの経歴をたどってみると、彼は様々な国で多くのプロジェクトに携わっています。ドイツの建築事務所 Behnisch and Partners で3年の経験を積むと、オーストラリアに渡り幅広い分野の建築やデザインプロジェクトに関わります。その後は中国の北京と上海で活動し、北京ではオリンピック会場のデザインなどを手がけました。現在はイギリスのロンドンをベースとしています。

Pan_07は、デジタルデザインされた骨の構造のようなイスです。1本のフレームが外枠を構成し、格子状のシート部がその構造を支えています。座面の各格子が荷重を分散するようになっているので、最小限の素材と重量を実現しています。最先端のテクノロジーによって可能となったコンセプトとデザインです。
E_Volve_Tableもまたデジタルによる構造解析と人工的なアルゴリズムを用いたテーブルです。デザインは自然の液体の流れにインスパイアされています。複雑な形状の脚部は、運搬に有利なようにいくつかのパーツにわかれています。
氷や雪の自然の美しさにインスピレーションを得たグラスが、Arctic Glassesです。氷のようなクリアガラスのものと、サンドブラストを施して霜を模した、2つのバージョンがあります。

Morphogenesisは、来年初頭に発表予定のラウンジチェアです。こちらもまた、複雑な形状のフレームを持っています。
Timothy Schreiberは、先端テクノロジーとデジタルを駆使し、新しい家具の可能性を常に探求し続けています。

Cheers Tim for your cooperations.
Looking forward to your new works.
posted by DL at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | furniture

Nov 26, 2007

Causas Externas


S123


Provisionales


Con Vela


Porta Paquetes

スペインのバルセロナを拠点とする新鋭デザインスタジオ、Causas Externas 。スタジオは4人のデザイナー、Claudia Rosello、David Marti、Georgina Rosello、Ismael Jubanyから成ります。もともとは異なるデザインスタジオや会社で個々に活動していた彼らが、2007年はじめにCausas Externasを設立しました。

Causas Externasの最初のコレクションは、インテリアとエクステリアのボーダーラインを主軸としたものです。彼らはまず都市環境を観察し、エクステリアの要素をインテリアとして持ち込もうと考えました。
S123は屋内、屋外どちらでも使用することのできるプラスティック製のイスです。イスのグリーンカラーは、都市部の道路標識からきています。名前も休憩エリアの標識に由来します。全体に角ばったシェイプですが、エルゴノミクスの観点について考えられています。
Provisionalesは、2つの架台に天板を架けて一時的なテーブルをつくります。3点で天板を支える架台は安定性もよく、折りたたむと四角いフレームのようになりかさばりません。カラーは、暫定的な状態を意味するイエローです。
路上で目にするコーンの形をしたキャンドルのCon Vela。一時的にスペースを区分けするコーンと時間的な限りのあるキャンドルをひとつにしたユニークな作品です。ふたつの一過性という要素をうまくミックスさせています。
ウォールマウントの本棚Porta Paquetesは、材質を最大までそぎ落とすことをコンセプトとしています。2本のフレームの構造は、オートバイのVespaの荷台にインスパイアされています。

Causas Externasは、ほかにもユニークな作品を発表しており、彼らのファーストコレクションは、今年9月に開催された家具見本市 Habitat Valencia Forward のNUDE展に出品されました。彼らは現在、似たような方法論に基づく新たな作品に取り組んでいるということです。
posted by DL at 11:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | furniture

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