Sep 21, 2007

Interview 05 : Hiroshi Kawano




今回のインタビューは、日本とスウェーデンの両国で活動する Hiroshi Kawano DESIGN の川野 博 氏です。
川野 氏はHiroshi Kawano DESIGNとしての活動以外に、スウェーデンのテキスタイルデザイナー Sara Berner とのコラボレーションを行っています。その活動は、国内外のメディアに取り上げられるなど注目を集めています。


DL(以下D): 以前は別業種の会社員として数年間働いていた経歴をお持ちですが、インテリアデザイナーに転向した理由は何ですか?
Hiroshi(以下H): 以前は外資系製薬メーカーで営業をしていました。営業自体は面白かったのですが、仕事に慣れてくるうちに自分自身で考え出したコンテンツを売り込みたいと考えるようになりました。そこで、生活全般に関わる提案が仕事であるインテリア・デザインの世界ならより自然に仕事を楽しめると考えたんです

D: 最も尊敬するデザイナーは誰ですか?また、彼/彼女からどのような影響を受けましたか?
H: フィンランドの建築家・デザイナーである、Juha Leiviskaです。ヘルシンキ郊外のミュールマキ教会の美しさには言葉を失いました。新規性・機能性だけではなく、何よりも審美性に妥協を許さない彼の姿勢をとても尊敬しています。また、スウェーデンのClaesson Koivisto RuneやTAFも全く同じ理由から尊敬しています。

D: あたらしい物をつくるときにインスピレーションを受けるものはありますか?
H: 手作業のプロセス(模型やハンドドローイングなど)を経たことで出来る些細な成果物から、後日インスピレーションを受けることがよくあります。

D: 今後チャレンジしたい素材や技法はありますか?
H: 真鍮や銅などの金属素材そのままの色に魅力を感じています。

D: 日本だけではなくスウェーデンでも活動されていますが、なぜスウェーデンなのでしょう?
H: 新規性・機能性・ユーモアだけに依存するのではなく、審美性も厳しく吟味する彼らの姿勢に共感しています。イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・オランダ・スペインといった他のデザイン主要国との違いをそこに感じています。

D: 日本とスウェーデンのデザインシーンについてどう思いますか?日本人の視点から両者をみて、どのように感じますか?
H: スウェーデンの方が、フリーランス・デザイナーを支援する制度(制作奨学金等)が充実していると思います。Saraとのコラボレーションでは、僕らも昨年スウェーデンの団体や企業から好意的なご支援をいただきました。この点は大きな違いだと思います。また、最近のスウェーデンでは女性デザイナーの方がより面白い作品を発表しているように思います。

D: スウェーデン人のテキスタイルデザイナー、Sara Berner とともに作品を発表していますが、どのような経緯で彼女とコラボレーションすることになったのでしょうか?
H: 2006年のストックホルム・ファニチャー・フェアに参加したのですが、ちょうど彼女も出品していました。その際、多くのデザイナーの友人ができましたが、Saraとは友人としてだけでは無く、一緒に何かやってみたいなと思い、帰国後しばらくして、彼女にアプローチしました。

D: ジャンルも国籍も異なるSaraとのコラボレーションですが、どのようにして作品はうまれるのでしょう?
H: 僕はスウェーデン語がダメなので、英語でコミュニケーションをしています。スウェーデン語は、初めと最後の挨拶だけですね。(笑)
制作上のキーワードを決めたら、それぞれの制作プロセスをメールで全て公開・交換することで、日々インスパイアされながら、作品を仕上げていきます。また、何回かストックホルムのSaraのスタジオでもワークショップを行い、詰めの作業をしました。


D: 今後の展望や目標を教えてください。
H: 2008年に照明がフランスのメーカーから発売の予定ですので、今から楽しみにしています。また、Saraとのコラボレーションも長期的に続けていきます。僕のドリーム・プロジェクトは、猫のためのファニチャーなんです。(笑)彼らのための美しいファニチャーはまだほとんど見かけません。いつかきっと実現させたいと考えています。

D: 川野さんのように海外進出を考えている若き日本人デザイナーへ、アドバイスをお願いします。
H: ファニチャーやプロダクトに限ると、このデザイン領域は言語に依らないので、行動さえすれば世界中の方々から容易に感想をいただける訳です。これは大きなアドバンテージだと思います。活動の早い段階で、日本人以外の方々にもご自分の作品を紹介することで得られるフィードバックがきっとその方に有益な行動指針を与えてくれると思います。

24/08/2007
お忙しいところ、ありがとうございました。
次回作を楽しみにしています。

以前の関連記事はこちらになります。
Hiroshi Kawano DESIGN



D: What brought you to be an interior designer? I've heard you had had a few years of career in a different industry before becoming a designer.
H: I was a sales representative at a foreign pharmaceutical company. As I got used to the work I became to like my job. But eventually I began to think it would be better if I could sell something I created myself. Then the idea came to me that I would enjoy working in the area of the interior design where I could provide suggestions for people's living in general.

D: Who is the designer you respect the most? And in which way has she/he influenced you?
H: I would say Juha Leiviska, Finnish architect and designer. The beauty of Myyrmaki Church in Vantaa in the suburbs of Helsinki was just beyond expression. I very much respect not only the novelty and functionality of his work, but also his attitudes towards uncompromising aesthetics. I also respect Claesson Koivisto Rune and TAF of Sweden for the same reasons.

D: What inspires or leads you to new creation?
H: I often get inspirations from minor results I get from going through manual processes such as making models or hand drawings.

D: Are there any materials or innovations that you would like to try in the future?
H: I am attracted by the colors of iron materials such as brass and copper as they are.

D: You are working not only in Japan but in Sweden as well. Why Sweden?
H: I sympathize with the Swedish stance on strict criterion for aesthetics based on not just novelty, functionality and humors. This differs from other leading design countries, including the UK, Germany, France, Italy, Netherlands and Spain.

D: What do you think of design scenes in Japan and Sweden from a Japanese point of view?
H: I think there are more systems in Sweden than in Japan, such as scholarships to support freelance designers. Sara and I got favorable support from Swedish organizations and corporations last year when we collaborated. And I think there is a big difference in this regard. I also think that these days female designers produce more interesting pieces in Sweden.

D: You collaborate with Swedish textile designer Sara Berner. What were the events that led up to that collaboration?
H: Both Sara and I participated in Stockholm Furniture Fair 2006, where I made friends with lots of designers. Especially with Sara, I wanted to create something together as well as being friends. So I approached her a little while after coming home.

D: How do you create products in collaboration with Sara who has a different background both in nationality and genre?
H: I communicate with Sara in English because I don't speak Swedish. The only Swedish I speak are hello and goodbye. (laughs)
We decide on a keyword for a project, and then exchange each of our production processes by email. Inspiring each other in daily correspondence, we work on the project to completion. Also, I have visited Sara's studio in Stockholm a few times, where we did a workshop to finish the production.


D: What are your plans/goals in the future?
H: I' m excited that my lamps will be released by a French manufacturer in 2008. I will continue my collaboration with Sara on a long term basis. My "dream project" is to make furniture for cats. (laughs) I hardly see beautiful furniture for cats. I will bring this project to realisation someday.

D: Any advice or tip to young Japanese designers who aim to work worldwide like you?
H: Regarding furniture and product design, this area of design doesn't depend on languages. In other words, all you need to do to receive feedbacks from all over the world is to get on with it! This is a big advantage. Feedbacks you get from non-Japanese people by introducing your work at early stages will provide you with action guidelines, which will be valuable to you.

Hiroshi Kawano DESIGN
August 24 2007


posted by DL at 12:10 | Comment(0) | TrackBack(1) | interview
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