Mar 13, 2009

Interview 15 : Camp Site


Camp Site members (c)Henrik Bonnevier

top (from left):
Anna Irinarchos, Hanna Brogard, Malin Lundmark
bottom (from left):
Johanna Asshoff, Lisa Widen, Moa Jantze



Design Bar at the Stockholm Furniture Fair 2009

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今回は6人のスウェーデン人デザイナーから成るデザインコレクティブ Camp Siteのメンバーのひとり、Anna Irinarchos (WIS Design) に話をうかがいました。
Stockholm Furniture Fair 2009でのDesign Bar のデザインコンセプトや環境問題への取り組みなど、CampSiteの行動指針や活動内容について話を聞くことができました。


DL(以下D): まず最初にCamp Siteの成り立ちを教えてください。どのようにしてCamp Siteはスタートしたのでしょう?
Anna(以下A): 私たちは皆、2006年のStockholm Furniture FairのGreenhouseに出展していて、その時からお互いを知っているの。そしてすぐに全員がスペインのLampisterという照明メーカーと仕事をしているとわかったわ。皆それぞれが互いのデザインや物事の考え方に好感を持ったので、何か一緒にやらないかという話し合いがすぐにスタートしたのよ。

D: Camp Siteの目指すゴールというものは何ですか?
A: 私たちは、時としてグループとして活動することが自分達の作品をより豊かにする、と感じているの。お互いからより大きくて力強い影響を受けるし、学ぶことも出来る。忘れてはならないのは、一緒にいて楽しいということ!

D: Camp Siteの6人のメンバー全員が女性のデザイナーです。これは偶然によるものですか?
A: それは偶然なのだけど、確かにそのことは念頭にあったわね。例えば女性は往々にしてメディアに自らのデザインを表現する機会が少ないと思うし、この業界では男性のほうがより有利な契約を結んで長期間にわたりより多くのお金を稼いでいる。この状況を変えられるようなことをやりたいと思っているの。もっと平等であるべきよ。だからこそ私たちは結束して、互いの作品を強化させる必要があると感じているわ。

D: 6人それぞれのアイデアをひとつに集約することは難しいのではないですか?
A: 時にはね。皆それぞれ違った意見を持っているから。だけど、ほとんどの場合は互いに歩み寄ることができるし、最終的にはその解決策がより良い考えで正しい進行方向であることが多いわね。

D: Camp Siteは、2009年のStockholm Furniture Fairの会場内に設営された”Design Bar”のデザインを担当しました。そこで使用された家具一式は、会期終了後にリサイクルとして赤十字に寄付され、そのことが今回のカフェの重要な要素のひとつとなりました。どのようにしてこのコンセプトが決まったのでしょう?短期間で解体されてしまう、その場限りのインスタレーションに疑問を感じていた、ということでしょうか?
A: ええ、ほんの数日間のインスタレーションを行って、その後は全て捨ててしまいましょう、というのは正しいことではないと私たちは感じたの。昨今では環境問題がかつてないほど注目されているし、中でもリサイクルは重要な部分を占めている。当然、環境破壊を避けるための最善策をとりたい、という思いが私たちにはあるわ。

D: インスタレーションをリユース、リサイクルするというコンセプトが、自由なデザインを阻むということはありませんでしたか?この原則によって、断念せざるをえなかったこともあるのではないですか?
A: もちろんこの方法を選んだことによって変更を余儀なくされたところもあったわ。だけど決して私たちを躊躇させるようなものではなかったわね。デザインをしていると、必ずといっていいほど最初のアイデアには妥協したり犠牲にしたりするものがでてくる。与えられた制約を最終的に何かより良いものへと変えることが、デザイナーという仕事のひとつでもあると思う。簡単なことではないけれど良くあることだし、まさにそれが、少しでも長い時間考えをめぐらせることへとつながるのよ。

D: このリサイクルというコンセプトを今後も続けてゆくのですか? これがCamp Siteのメインテーマのひとつということでしょうか?
A: どのような仕事をするにしろ、今後も私たちは環境への配慮を続けていく。だけど今後、ただリサイクルだけに焦点をあててゆくのかというと、まだはっきりとしないわね。

D: サステナブルデザインについてはどう考えますか?何かを生み出すということは、同時に多かれ少なかれ地球上の何かを消費することでもあると思います。常に何か新しいものをつくり続けなくてはならないデザイナーという職業は、いたく葛藤に苛まれているのではないかと想像します。環境にできる限り負荷をかけずに共存してゆくより良い方法はあるのでしょうか?
A: ええ、確かにあなたの言うとおり葛藤に溢れた立場にあるわね。だけど新しいものをデザインするのが私たちの仕事よ。常に新しい人々は生まれてくるし、新しくてより機能的な製品も求められている。古いものと新しいものとをミックスさせることも必要なのではないかしら。大事なことは、新しく作られる製品はきちんと環境に配慮されていなければならない、ということ。また、長い年月使えるものでなくてはならないし、長い目で見て大量消費を助長するものであってはならないわ。

D: Camp Siteの次の活動は何ですか?すでに進行中のものや近い将来にスタートするプロジェクトはありますか?
A: 小さなものから家具やインテリアまで、私たちは皆個々に様々なプロジェクトを抱えているわ。

D: 話は飛びますが、最後の質問です。デザインを学びデザイナーを目指す日本の若者たちに何かアドバイスはありますか?
A: そうね、たくさんあるのだけど、一番大事なのは常に楽しんでやること。創造に喜びや情熱を感じなければ、デザイナーという仕事を選ぶ意味は全くないわ。

Tack sa mycket, Anna!!
We all have to know it's a time to care about environment much more. in this respect I'm sure you guys have already stepped ahead. Admiring!



Interview with Anna Irinarchos (WIS Design), a member of Swedish designcollective Camp Site which consists of six young talents.


D: First of all, please tell me the starting point of Camp Site. How didthe collective start?
A: We knew about each other since we had exhibited at Greenhouse at StockholmFurniture Fair at the same time in 2006. Shortly after that we all noticedthat we worked for the same Spanish producer of lightings called Lampister.Shortly after that we started a discussion about doing something together,since we all liked each others' design and way of thinking.

D: And what is the goal that Camp Site tries to achieve?
A: We felt that working in a collective from time to time, would enrichour work. We could all learn from each other and make a bigger, more powerfulimpression. Not to forget, we have fun together!

D: Camp Site consists of six Swedish designers but they are all female.Is there anything more than a coincidence?
A: It's a coincidence but we did have it in mind. We know that women areless frequently represented for their design in media for example. It alsoappears that the men in our industry make better contracts and in the longrun earn more money. We want to do what we can change this. It must bemore equal. Therefore we felt a need to get together and strengthen eachother in our work.

D: Isn't it difficult to integrate six individual ideas into one, by theway?
A: It can be sometimes. We all have different opinions. But mostly we allfind a way to compromise and in the end the solution is mostly more wellthought and the right way to go.

D: Camp Site was commissioned to design "Design Bar" at the fairgroundof the Stockholm Furniture Fair 2009. I know one of the biggest point ofthe bar was that all the furniture installed in the bar went to the RedCross with the idea of recycling after the fair period. How did the conceptcome to you? Had you had a sense of incongruity with a pop-up installationwhich was dismantled in a short time?
A: Yes, we felt that it was wrong to do an installation for a few daysand then just throw everything away. In these times the environment ismore than ever in focus, and recycling is an important part of that. Weobviously want to do the best that we can to prevent environmental degradation.

D: Didn't the concept to reuse or recycle the installation prevent youfrom freely designing? There was nothing you gave up because of this rules?
A: Of course there were things we had to change because of that choice.But it was never something that made us hesitate. One must almost alwaysmake compromises and sacrifices on your first ideas when designing. Itis part of the work as a designer to turn limitations into something thatbecomes even better in the end. It is not always easy but just as oftenit is precisely this that makes you think maybe a little bit longer.

D: Do you keep on this recycling concept? Is this one of the main themeof Camp Site?
A: We will continue to think about the environment in our work regardlessof how we work. But it's not certain that we will just focus on recyclingin the future.

D: What do you think of sustainable design? To produce something couldbe to consume something on the planet more or less. And the designer, whichhas to keep creating something new all the time, is a profession full ofconflict, I guess. Do you think we can find out the better way to get alongwith the environment inflicting less impact?
A: Yes, as you say, it is a conflictfull situation. But it is our professionto design new products. New people are born all the time and we need new,more functional things. We believe that one should mix the old stuff withnew. What is important is that the new products are done well environmentally.They should also be made so that they can be used for many years and thiswill help to prevent overconsumption in the long term.

D: What happens next to Camp Site? Do you have any project ongoing or beingabout to start in the near future?
A: We all have many individual projects going on, both with smaller thingsand furniture but also interiors.

D: This is the last question and sorry for changing the subject in a sudden.Any advice or tip to young Japanese who are studying design and try tobe a designer?
A: Well there could be so many. But most importantly, they should alwayshave fun. Without the joy and passion for creating there is no point inchoosing to work as a designer.
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Feb 13, 2009

Interview 14 : nosigner



sorry, only Japanese at present.



今回は、若手実力派デザイナーnosignerとのデザイン談義です。家具デザインから商品パッケージまで幅広く手がける彼の実直なデザイン論に、今後の社会に求められるデザインのあるべき姿を垣間見ることができます。


DL(以下D): デザインという言葉がだいぶ社会に浸透してきて、結構盛り上がってきてはいると思うのですけど、東京のデザインシーンは、もっと良い方向へ行けるのではと思います。

nosigner(以下n): そうですね。

D: 行政とかが、もっとシーンを後押してくれればと思います。

n: (行政は)デザインに対して何もやってないわけじゃないんですけど、他の国を見てみると、デザインをはじめとした文化政策はもっと政治と直結しているんですよね。日本の行政のデザインに体する関わり方は、例えば担当部署レベルで良い考えを持った人がいたとしても、決定権のある人に理解があるという状況ではない。まして政治家自身が国策のためにデザインを利用するような成熟した状況はもっと難しそうですね。麻生さんも一応デザインを政策に利用すると言っているけど、それはイギリスや韓国など諸外国の行動に比べたら、ほとんど絵に描いた餅というレベルに見えます。デザインが社会に対してどのように有効で、国策にどう利用できるものなのか、政治家の皆さんは想像できているんでしょうか。

D: やはり、その辺りはまだまだという印象を受けます。誰かがそれを指摘して助言する必要があるのかもしれません。行政に限らず、民間企業にも同じことがいえると思います。デザインの重要性というのが今一つ・・・。いずれの場合も、それ(デザインを重視した施策)をやることで得られるメリットは、かなり大きいと思うのですけど。何でやらないのだろう、っていうところありますよね。

n: そう思います。いまの日本のデザインの盛り上がりは、一部の心ある民間の有志やデザイナー自身の手によって作られている状況が強いですが、せっかく盛り上がり始めているデザイン文化の流れが続いていくためには、行政や一般の方など、本来デザインを最も利用する人たちが、デザインの効能を理解することが肝心でしょうね。

D: そうですね。この盛り上がりを一過性のムーブメントで終わらせないためにも、デザインの有用性を広めてゆくことが必要だと思います。
実際にデザインは、実践的なタクティクスとしてあらゆるところに利用できるはずです。商品のパッケージングだったり、会社のロゴだったり、公共デザインなんかもそうですよね。もちろん今でも何らかの方策があるのでしょうけど、もっとデザインを戦略的に使うことで、企業イメージなり、商品の売れ行きなりは大きく変わると思うのですよね。公共事業や公共デザインにしても人々の興味や関わり方は随分変わると思います。デザインの効能によって物事が向上する、 という事例が増えてゆけば自ずと良いサイクルが生まれると思うのですが・・・。

n: デザインが今以上に人々の生活に近づいていくためには、社会がデザインに対して持っている、「デザインっぽさ」と言えるような、デザインに対する歪んだ理解を払拭することが目標になるのかもしれません。
多分20年くらい前に、デザイナーや建築家は、デザインという文化に対する社会からの信頼を多少なり失ってしまったのかもしれないと思っています。
「デザインは問題を解決することができる。」というポジティブな面ではなくて、「デザインはデザイナーのわがままに直結しかねない。」というネガティブな面がバブル期周辺にありありとプレゼンされてしまった。
デザインを取り入れて合理化することと、デザイナーの観念を押し付けられることは大きく違うはずなのだけど、一般の方にとっての印象は昔のデザインの印象を引きずっているように思えます。デザインの効能を見つめ直す意味でも、デザイン教育は僕らの時代にとって大きな課題ですね。


D: そうですね。デザインの受け手側もきちんとデザインを理解する必要があると思います。デザインという単語は、なんとなく響きもいいし、すごくカッコ良いイメージがありますけど、それが逆にあだになってしまっているところもあるのでは、と思います。
デザインされたものは見た目だけではなくて、しっかりファンクション(機能性)も考えて作られているもののほうが本当は多いと思うのです。だけど、優れたファンクションを持つものは概してビジュアルも優れていることが多い。だからデザインという単語がくっついてくると、それだけで何やらカッコ良いものを過剰に想像してしまうし、実際、ビジュアル面ばかり強調された変に偏ったイメージがデザインについちゃっているのだと思います。そういうデザインに対する表層的なイメージがひとり歩きしちゃっている、という気もします。
デザインとは本来、物事をよくしたりとか、ものを使いやすくしたりとか、そういう機能のほうが大きいと思うのですよね。それなのに、逆にそれ(デザインという語のもつ響きや過剰な正のイメージ)で敬遠されちゃっているってところがあるのではないかと。

n: そういうことかもしれないですね。
デザインをデザイン単体として完成されたクールなものと考えると大きな間違いになりかねません。「完全なデザイン」を作り上げようとすることより、むしろ何かと何かの間に「良い関係」を作ることがデザインの本質にはありますから。
たとえて言うなら、時にデザインは作家が作品を作るという感覚よりも、奥さんが美味しいおかずを昨日の残り物とスーパーのセール品から上手に考え出すような感覚に近かったりする。デザインというフィルターを通して合理化・再構築することで、いくつかの課題を同時に満たす最適な方法を発見することが出来るわけです。「一石二鳥」といった感覚でしょうか。
アイコン化された「デザイン」という言葉の印象とは違った、「一石二鳥」を実現させるデザインの優れた側面を一般の方が実感できる仕組みが欲しいですよね。その実感が促せれば、デザインと社会の関わり方はぐっと変わるだろうし、逆に社会は有用じゃないデザインに対してNOと言えるようになるはずです。


D: そうですね。まさに、そういった側面がデザインの要だと思います。デザイン単体だけを見てしまうと、それはデザインではなくただのオブジェクトになってしまいます。その周囲との関連性こそがデザインを決定づける大事な要素ではないでしょうか。そのような観点からゆくと、デザインとアートピースは少し異なる、社会へのアプローチであると思います。アートピースも勿論デザインされたものであるし、精神を豊かにするだとか思想の表現であるとか文化的な側面ではおおいに評価すべきものです。だけど、ここでいうデザインとは、ちょっと異質のような気がします。実生活での有用性みたいなところでいうと、デザインとアートは全く違う役割を担っていると思うのです。ですから、デザインもその同じ括りで語っていいかというとやっぱり本当は違うと思うし、ややもするとデザインとアートが混同され同じレベルで捉えられることに違和感を覚えます。そもそもアートとデザインの境界を引くのは難しいのですが、社会にとって有用なデザインと、ア−トのような個人にとって有用なデザインは、異なる次元で理解されるべきではないかと思います。もちろん、どちらのデザインも有用なことには変わりありませんが。

n: 関係を作るという視点に立てば、確かにアートとデザインの境界は曖昧なものです。
アートが優れたアートたりうるかどうかの分かれ目は、それが歴史や鑑賞者に対して「新しい関係」を提示しうるかどうかなのだと思います。歴史に残るデザインというのも同じ基準で判断が出来るでしょう。いずれにしても、名作といわれる優れたアートには、作家のマスターベーションを感じないものです。
ただ、アートとデザインはゴールが近くてもスタート地点が大きく違う。デザインの背景には「解決策」や「実生活」が必ず存在するアクチュアルなものですが、アートは表現する事そのものに価値があるので、フィクションでも成立しますからね。


D: アートもデザインも、どちらも社会に必要な要素であることは間違いないですよね。ただ、これまで日本は美術などの芸術分野には力を入れども、デザインは文化的インフラとしては少し軽視されてきたような気がします。芸術分野にしても他国に比べれば見劣りしますが・・・
これは国に限らず企業や個人など全てにいえることだと思いますが、もう少しデザインをうまいこと使いこなせば、よくなることも多いと思います。少し乱暴な言い方になりますけど、デザイナーという職業がこの世に存在しているのだから、社会はそれをもっとうまく利用すべきではないでしょうか。そのためには、まず、もう少し社会がデザインに目を向け理解することが必要だと思います。

n: 国をはじめとして、社会がデザインの有用性を理解することで様々なことが変わるはずです。
何を解決するためにデザインをするのか。
デザインの背景にあるメッセージは何なのか。
そのデザインで世の中がどう変わっていくのか。
そんな風に、デザイナー自身もデザイン界という狭い世界の基準から離れて、デザインの外側を意識しながらデザインを作ることが必要ですね。残念なことですが、デザインのためだけに作られたデザインもたくさんあります。デザインの文脈の中でしか通用しない狭い感覚のデザインは、逆にデザインの可能性を摘む結果になってしまっているんじゃない?と思えたりしますね。まぁ、これは自戒でもあります。自分自身も気をつけなくてはと思っています。


D: 簡単なことではないですけど、デザインする側とそれを利用する側の双方が、社会とデザインの関わりや意義を正しく認識する必要がありますよね。デザイナーにしても、自分で自分の首を絞めないようにしないとダメです、やっぱり。結局、僕らにしてみれば、デザインを通して何かと繋がり、良い関係を築いてゆくには、そこに介在するデザイナーが一番の頼りですから。

n: デザインする者自身が本心で「欲しい」と思える何かをデザインすること。
また同時に、自分だけでなく世界にとっても「必要だ」と思えるものを作ること。
その二つが基盤ですよね。当たり前ですけど、デザイナー自身が自分の未来にとって必要ないものや欲しくないものを作っちゃダメですよ。いいこと何にもないですから。
社会が劇的に変化を続けているのと同時に、デザインを取り巻く背景は、すごいスピードで変化しています。ますますデザイナーにはデザイナーとしての能力と同時に、世の中の大局を捉える力が必要になってくるでしょうね。
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Dec 12, 2008

Interview 13 : Jo Meesters



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オランダのEindhovenにスタジオを構え、プロダクトデザインからアートディレクションまで多くのデザインプロジェクトに関わる Jo Meesters に、ダッチデザインやサステナブルデザインというキーワードについて話を聞きいてみました。


DL(以下D): デザイナーになったきっかけを教えてください。
Jo(以下J): 僕は幼い頃から常に、自分のまわりにぴったりとフィットするものを作り上げることで自分の世界を作ってきたんだ。学校に入る前まで"デザイン"という言葉は僕のボキャブラリーにはなかったのだけど、遅かれ早かれ自分はデザイナーになる運命であると気づいたろうね。

D: 最も尊敬するデザイナーは誰ですか?また、その人からどのような影響をうけましたか?
J: たくさんいるけど、Martin Margiela(マルタン・マルジェラ)は特に好きなデザイナーのひとりかな。洋服や素材の脱構築と再構築にかけては名匠だよ。彼は素材の本質を見抜く方法を知っていて、それを何か新しいものに変える力を持っているんだ。マルジェラはファッションや布地、ドレスといった枠を越えたデザイナーで、何かをつくるということになれば想像を現実に変えてしまような人だよ。

D: ダッチデザインについてどう思いますか?他国のデザインと差別化するダッチデザイン固有の何か決定的な特徴はあるのでしょうか?
J: ダッチデザインとは何かという定義を正確に述べるのは難しいのだけど、これには僕らを取り巻く文化的な環境が関係しているのではないかと思う。オランダ政府はデザイナーに対して積極的な支援を行っていて、助成金や革新的な方法による作品発表を奨励し、デザイナーの活動を活性化させるとともに、彼らの独創力を広く一般に向けてアピールする場を設けている。また、無名の人にも開けた環境、人間性、ガッツ、ユーモア、そしてミニマルな審美性を持つシェイプや独特な技法が好まれるという特質もダッチデザインに関係していると思う。ダッチデザインは、とても表現主義的で最先端であると同時に、コンテンポラリーデザインが抱える深刻な問題をはらんでいるね。

D: 日本のデザインシーンについてはどう思いますか?
J: 日本のデザインの審美的でミニマリズムなアプローチは本当に素晴らしいと思う。過去と現代、自然とテクノロジーといったコンビネーションはインスピレーションに満ちているよ。

D: 作品からクラフトマンシップへの深い情愛を感じます。ただ時としてマスプロダクションがクラフトマンシップを凌駕することもあるのではないかと思います。これについてはどう考えますか?また、この二者が共存することは可能だと思いますか?
J: 特にマスプロダクションに対する異論があるわけではないんだ。それどころか、マスプロダクションはものをより安価にし、広範なマスにとって手の届きやすいものにしてくれる方法だと信じてるよ。だけど、マスプロダクションのデメリットのひとつとして、消費者が身の回りのものの価値を真に理解しなくなってしまう、ということが挙げられる。安くていくらでも代替が可能だからね。その反面、クラフトマンシップはもっと感情に訴えるものを持ってる。ハンドメイドで唯一無二であったり、限られた数だけしか作られなかったり、長い間大切にしようと思わせる”特別”な何かを持っていると思う。

D: デザイン業界に限らず、全ての社会活動において”サステナブル”という言葉が近年のキーワードになっているように思います。サステナブルデザインというものについてどう思いますか?
J: そもそもサステナブルデザインって何だい?個人的には、サステナビリティーという単語はもっと違った方法で語られるべきものだと思う。サステナブルデザインとは自分達を取り巻く事象と末永い関係を築き上げることであり、持久的な社会を実現するための社会構造をデザインすることだと思うよ。人文主義的なデザインアプローチかな。

D: 現在、進行中のTESTLABプロジェクトについて教えてください。
J: Testlabは実験的な試みで、廃棄物を使ってプロトタイプを作っているんだ。素材の可能性を探求し、そこから何か新しいものを生み出そうというものだよ。基本的には目新しいアイデアではないかもしれないけど、すごく気に入っているんだ。全てのものには価値があって、どのようなものも他の使い道や別のかたちで再利用できる、という考えで育ってきたからね。

D: 現在、わたしたちは経済危機に直面し、世界経済は確実に後退局面にあると思われます。このような状況は、人々のデザインに対する考え方に影響を与えると思いますか?人々が、よりシビアにデザインを判断するという可能性もあのでは?
J: それは間違いないだろうね。デザインは"ツァイトガイスト(時代思潮)"と関連深いものだし、自分達を取り巻いている世界をどのように人々が捉えているか、ということを視覚化したものでもあるからね。デザインは時代のメタファーだよ。

D: 今後、わたしたちと末永く共存してゆくデザインとは、どういうものだと考えますか?
J: 僕らが身の回りのオブジェクトと末永い関係を続けてゆくために、デザインはもっと人間的で感情的であるべきだと思う。そうあれば完璧なんだけど、これはユートピアのような考えだね。

D: これはいつも最後に聞いていることなのですが、デザインを学びデザイナーを目指す日本の若者に何かアドバイスはありますか?
J: 自分の直感を信じ、それを忘れず大事すること。心をこめてつくること。


Dank u Jo!!
Ik houd van uw antwoorden!


D: What brought you to be a designer?
J: Since I was a child I was always creating the world around me by making things that would fit in perfectly. Design was not in my vocabulary before I started the academy but sooner or later I realised that it is destined to happen that I would become a designer.

D: Who is the designer you respect the most? And in which way has she/he influenced you?
J: A lot of designers but if I especially consider Martin Margiela as one of my favourites, a master of deconstruction and reconstruction of garments and materials. He has a way of seeing through materials and transforming them into something new, a designer beyond fashion, beyond the fabric and the dress and a man who makes his imagination a reality when it comes to creating a brand.

D: How do you describe Dutch design? Do you think it has any discriminatory character which makes a difference from others?
J: It is difficult to pinpoint what exactly the definition of Dutch Design is, but I think it has something to do with the cultural environment we're living in. The Dutch government has a role of a progressive patron to designers, giving them the chance to show their creativity to the public by stimulating them with grants and opportunities to manifest their work in innovative ways, which is stimulated. Dutch Design has also something to do with features such as being open to the unknown, humanity, guts, humour and a preference for unusual techniques and shapes with a minimalist aesthetic. Very expressionistic and extreme at the same time adressing crucial issues in contemporary design.

D: What do you think of Japanese design scene, on the other?
J: I really appreciate the esthetic and minimalistic approach of japanese design. An inspiring combination of the past and the contemporary, nature and technology.

D: I know that you're taking care of craftsmanship very well, but sometimes mass production overwhelms this craftsmanship. What do you think of it? Do you think those two could live together?
J: I'm not against mass production, on the contrary I believe it made objects more affordable and within reach of the mass market. However one of the downside of mass production is that the consumer doesn't really understand the value of the things surrounding us anymore, it is affordable and replaceable. Craftsmanship on the other hand has more emotional value, it is handmade and is probably a unique piece or made in a limited batch which makes it more "special", something to cherish for a very long time.

D: The term "sustainability" is a keyword in this decade with no doubt, for all social phenomena including the design matter. What do you think of sustainable design?
J: What is sustainable design? Personally I think that sustainability is a term which can be explained in different ways. It is about building a long term relationship with the things surrounding us. It is designing social structures creating an enduring society. A humanistic approach to design.

D: Would you tell me about your ongoing project TESTLAB?
J: Testlab is about experimenting and making prototypes using discarded materials, exploring the possibilities of the materials and transforming them into something new. Basically it is not a ground breaking idea but it is something that I am really fond of. I was raised with the idea that everything is valuable and that everything can be reused in some way or the other.

D: Now we are going through an economic crisis, and the global economy will definitely be descending. Do you think that it has an impact on how people consider design? People will be severe judges, possibly?
J: Definitely. Design is related with "zeitgeist". It is a visualization on how we perceive the world around us. A metaphor of time.

D: How do you think the design should be to get along with us for a long term in the future?
J: Personally I think that design should be more personal and emotional, creating a long term relationship with the objects around us. That would be perfect. But I guess it's an utopian idea.

D: This is the last one that I routinely ask for the end. Any advice or tip to young Japanese who are
studying design and want to be a designer?
J: Follow and cherish your intuition. Create by heart.
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Aug 29, 2008

Interview 12 : Thomas Bernstrand




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国内外に多くのクライアントを抱える自身のデザインスタジオ、bernstrand & co のデザインマネージャーとして活動するかたわら、ストックホルムを拠点とするデザイナーによるプロジェクト、Weare going undergroud(WAGU) に参加する Thomas Bernstrand 。
彼に、WAGUにまつわるストーリーや、北欧と日本の文化の類似点、スウェーデンのデザインシーンなどについて話を聞いてみました。


DL (以下D): デザイナーになったきっかけを教えてください。
Thomas (以下T): 昔からずっと、洗練されていて美しいオブジェクトに魅力を感じていたんだ。だからデザインの道へ進んだのだと思う。正しい選択だったと思うよ。

D: 最も尊敬するデザイナーは誰ですか?また、その人からどのような影響を受けましたか?
T: 長い間、本当にたくさんのオブジェクトにインスピレーションを受けてきたけど、決してどのデザイナーからも影響は受けていないよ。

D: ストックホルムで活動するデザイナーによるプロジェクト、"We are going underground(WAGU)"のメンバーです。どのようにしてプロジェクトがスタートしたのかを教えてください?
T: もともと僕らは皆、デザイン学校時代の友人なんだ。ストックホルム国際家具見本市の期間中に、メイン会場ではないどこか他の場所で何かデザインシーンを作りたいと考えていたし、他の国からデザイナーの友人たちをストックホルムに招いて展示を行いたいと思ってた。WAGUの展示は、毎回異なるメンバーで行うんだ。ここがポイントだよ。そうすることで、他の人と知り合うことができるからね。

D: 昨年、WAGUは東京のデザインイベント DesignTide に参加しましたが、その時の感想を聞かせてください。
T: とても素晴らしかったよ。WAGUのメンバーは、良き友人だし皆が優れたデザイナーたちだから、僕ら全員が一緒に東京に行くことできたのはとても良かった。スウェーデン以外の国でWAGUの展示を行うのは、あの時が初めてだったんだ。DesignTideでは新しい友人ができたし、将来につながるコンタクトを得ることもできたよ。

D: WAGUのプロジェクトは今後も続けてゆきますか?何か次の企画がすでに持ち上がっていますか?
T: WAGUは、きちんと組織だったプロジェクトではないんだ。皆にエネルギーと時間の余裕があれば、プロジェクトを進めるという具合さ。WAGUのメンバーは、それぞれが自分達のデザイン会社を持っていて、その仕事が本当に忙しいんだ。だけど本当に、皆このプロジェクトを続けてゆきたいと考えているよ。

D: 2007年のデザインウィーク期間中に来日し、東京を訪れています。その時の感想を聞かせてください。
T: 東京には3度行ったことがあるけれど、本当に素晴らしいところだよ。間違いなく世界で一番好きな街のひとつだね。

D: 一緒に仕事をしてみたいと思う日本のデザイナーやメーカーはありますか?
T: 日本には、世界中のデザイナーの誰もが、仕事を一緒にしてみたいと思うような素晴らしい企業がたくさんあると思う。将来、水上を走る車を生産するという日本企業について、以前話を聞いたことがあるのだけど、とりわけ、その車をデザインしてみたいね。

D: 北欧と日本の文化には、ある種の共通項があるという人もいます。このことについてどのように考えますか?
T: その通りだと思うよ。とても質素だけど気品に満ちたものが、北欧と日本の文化のどちらにもあると思う。2つの文化間で、それは異なるけどとても似通っている。だから僕は東京がとても好きなんだ。これは、スウェーデンの良いところでもあるけど、それとはやはり違うからね。

D: 近い将来のスウェーデンのデザインシーンについてはどう考えますか?このまま成長を続けてゆくと思いますか、それとも一歩進んだ次のステップにゆくためには、何か変化が必要だと思いますか?
T: デザインシーンというものは、常に変わってゆくものだし、そうあるべきだと思う。現在と未来に向けて新しくて、それでいて持続可能なプロダクトを生み出すこと、これこそがデザインというものではないかな。スウェーデンは、きちんとそれをやってきていると思うけど、今のようにスウェーデンのデザインシーンにフォーカスをあて続けたいと望むのなら、僕らはこれからも厳しい努力を続けてゆかなくてはならないよね。

D: デザインを勉強し、デザイナーを目指す日本の若者たちに何かアドバイスをお願いします。
T: 自分自身を信じるよう、いつも生徒には言っている。かつての名デザイナーに影響を受けることがあるかもしれないけど、決して同じ舞台に立って彼らを破ることはできない。自分のやるべきことに力を注ぐことだよ。

Thank you Thomas!!
Looking forward to your new projects and WAGU exhibition going ahead.


D: What brought you to be a designer?
T: I have always been fascinated in smart and good locking objects so I guess it lead me into design. I think I made the right decision.

D: Who is the designer you respect the most? And in which way has she/he influenced you?
T: There are so many objects that have been inspiring me thru out the years but I have never been inspired by any designer.

D: You're involved in "We are going underground (WAGU)"exhibition , which consists of designers based in Stockholm, Could you tell me about it such as the story why and how the project got started?
T: From the beginning we were all friends from design school. We wanted to have a design scene during but outside the Stockholm Furniture Fair. And we also wanted to invite friends from other countries to exhibit in Stockholm. Every time we have an exhibition we are different people and that's the point. This way we learn to know other people.

D: WAGU participated in DesignTide in Tokyo last year, how was it like?
T: It was fantastic. WAGU is nice friends and good designers so it was great to go to Tokyo all of us. This was the first time WAGU exhibit outside Sweden. At designTide we made some new friends and got some interesting contacts for the future.

D: Is the project WAGU still going on? Does it have next plan?
T: The WAGU project has no structure. It is just something we do if we have energy and time. Everyone in WAGU is very busy working with their own design companies. But we love it so much we like it to continue.

D: I know you'd been in Japan during design week in Tokyo in 2007, How did you like the city?
T: I have been in Tokyo three times and I just love it. It is my absolute favorite city in the world.

D: Is there any Japanese designer or manufacturer who you like to collaborate with?
T: There are so many fantastic Japanese companies every designer in the world would love to collaborate with. I was told about on Japanese company who, in the future, will produce water driven cars. That's a car I like to design. Among many other things.

D: Some people say that there is a kind of similarities between Scandinavian culture and Japanese one. Do you agree with that thinking on it?
T: Yes I do. There is something very simple and elegant in both Scandinavian and Japanese culture. It's different but yet the same. I think that's way I like Tokyo so much. It's the good things about Sweden but still so different.

D: What do you think of Swedish design scene in near future? Do you think that it keeps on growing as it does or needs some change to be next level with an advanced development?
T: The design scene is always changing. And it should be. That's what design is all about, to develop new and sustainable products for the present and future. I think Sweden has done well but we have to continue to work very hard if we want to keep the present focus on the Swedish design scene.

D: Any advice or tip to young Japanese who are studying design and aim to be a designer?
T: I always tell my student to believe in themselves. You can be inspired by established designers but you will never beat them on their scene. You have to do your thing.
posted by DL at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | interview

Aug 22, 2008

Interview 11 : Alissia Melka-Teichroew




Scroll down for English text.


オランダでデザインを学び、現在はアメリカで活動するデザイナーのAlissia Melka-Teichroew 。
彼女は、BY:AMTの創始者でありデザイナーでもあります。ヨーロッパとアメリカ、2つのデザイン事情を知る彼女に、それぞれのデザイン観や、彼女のデザインへの思いを語ってもらいました。


DL(以下D): デザイナーになったきっかけは何でしょう?
Alissia(以下A): 私は、フランス人の母親とアメリカ人の父親のもと、オランダで育ったの。両親はいつも私を数え切れないほどの美術館やアート展に連れて行ってくれて、ピカソの写真集を買ってくれたりもしたわ。家にはたくさんのデザインや美術品が溢れていて、デザインストアにもよく両親と新しい家具を探しに足を運んだものよ。

大学進学の進路は、ユトレヒト大学(オランダ)の地理学部で人文地理学を学ぶことに決めたのだけど、半年も経つと、それは自分が将来やりたいことではないと気づいたの。そのまた次の半年間は同じユトレヒト大学で美術史のクラスに駆け込んで、遅れを取り戻すのに必死だったわ。1995年のはじめに友達のつてで the Design Academy Eindhoven を見学すると、入学するために自分の作品を提出してみようと思い立ったの。入学するのは決して楽ではなかったけどね。

デザインアカデミーを卒業すると、まだまだ自分には成長する余地があると感じて、自分のスタジオを開いたの。オランダではインテリアからパッケージングまであらゆるプロジェクトに関わったけど、2年後にアメリカの the Rhode Island School of Design でインダストリアルデザインの勉強を始めたわ。自分の作品を違った角度から見つめてみたかったし、全く異なるデザイン文化の国へ移ることで、ヨーロッパ以外のデザイン観や自分のデザインについてもっと知ることができると思ったから。
アメリカのデザイン(そしてライフスタイル)は、今まで慣れ親しんできたものとは全然違っているわね。ここではフリーランスとしていろいろな会社と仕事をして、物の製造や販売についてもたくさんのことを学んだわ。

これら全ての経験がデザイナーとしての私を形成しているのだと思う。


D: 誰か尊敬しているデザイナーはいますか?またその人からどのような影響を受けましたか?
A: Jacques Tati、Picasso(特に小さい頃に持っていた写真集)、Jaime Hayon、Bruce Naumann、川久保 玲、Dan Flavin、Sol Lewitt、三宅 一生、山本 耀司、Stefan Sagmeister、Martin Parr(写真家)、Marti Guixe、Konstantin Grcic(彼のとがったデザイン)、Bruno Munari(彼のハンドジェスチャーの本、それと彼のドローイングやデザインなどの見せ方。)、深澤直人(誌的でシンプル)、Hussein Chalayan(複雑なシンプリシティ)、Olafur Eliason、Borek Sipek。

それからthe Kroller-Muller museumにあるJean DubeffetのJardin d'email。

ともかく、芯の強いデザインをつくる上で個人的に一番重要だと思うのは、批判を受け入れられるかどうか、というところだと思う。自分が受けた批評を個人的なものとして捉えず、作品に活かすことが大事なんじゃないかしら。作品を見過ごされてしまうよりも、何かを言われるほうが断然いい。それは賞賛でもあるし、感情のあらわれでもあるわけだから。だけどアメリカでは全く違う考え方ね。たとえそれが十分な説明の上にあったとしても、批判的な評論は決して良いものとはみなされないのよ。何でも常に良いと言われてしまうと向上心はなくなってしまうし、デザインのクオリティも良くはならないと思うのだけど。この点がアメリカのデザイン業界で私が奮闘しているところで、時に仕事をしづらくする点。人々が考えている本当のところはわからないわけだから、自分の作品を自分で評価することもできないのよ。


D: 新しくものを創造するときにインスピレーションを受けるものはありますか?
A: 日々の生活。身の回りのものが、思考と直感の引き金になる。
自分の作品には明確なシンプリシティを持たせたいと思うけど、シンプリシティは複雑なもので実現するのはなかなか大変。作品に潜んだストーリーが鍵を握っているわね。私の作品に込められているコンセプトは、シンプルなオブジェクトにストーリーを語らせることよ。オブジェクトというものは、見る人を混乱させずに、沢山の物事を具現化しなくてはならないと思う。

D: 将来チャレンジしてみたい素材や技術はありますか?
A: 常に新しい素材や技術を取り入れることに興味があるわ。今は技術よりも素材かしら。アクリルを使った作品をデザインしたのだけど、アクリルを使うことができなかったから、ラピッドプロトタイプを用いたものもあるわ。それから、回転成型を用いた家具や照明と、新しいテキスタイルの作品にも取り組んでる。


D: 来日したことはありますか?もしあれば、その場所と印象を教えてください。
A: いいえ、まだ″日本に行ったことがないわ。もう何年もデザインウィークの期間に日本に行こうと計画しているのだけど、毎年その頃になると何かが起こるのよ。

D: デザインの観点から、日本の文化や伝統についてどのように考えますか?
A: 日本のデザイン文化は、とても刺激的ね。とてもシンプルなのに信じられないくらい革新的。もうひとつ日本のデザインが本当におもしろいと思うのは、そのユーモア。なんだかとてもオランダのユーモアに似ている気がする。だからすごく日本のデザインが好きなのかもしれない。

D: ニューヨークの良いところと悪いところを教えてください。
A: ニューヨークは素晴らしい街であると同時に嫌な面も持っているわ。(世界中の多くの都市も同様だと思うけど。)

ニューヨークには、見てまわったり何かをしたり、常にやるべきことがある。信じられないくらいのエネルギーが街に溢れていて、かろうじてそれについてゆくという感じ。個人的に、ここが良くないと思う点でもあるの。たくさんのことが一度に起こりすぎていると感じるし、平和や平穏が欲しいわ。例えば、ここでは日曜日は決して日曜日にはなり得ない。どの店もオープンしているし、全ての物事はいつもどおりに動いている。以前、私は"何もしない日″というのを実行していたの。用足しにでかけたり、月曜から土曜までにするようなことをやるよりも、その日は他のことに時間を使うようにするの。
だけど、ニューヨークはニューヨーク。今のままであるべきだし、街には活力を保つための限りないエネルギーや、星の数ほどやることがある。もしニューヨークからどこかへ移ることがあるとしたら、その時もやっぱりここと同じようなところを選ぶと思うわ。


D: オランダとアメリカ、2つの大陸を背景に持ちます。2つの大陸間にある、デザインに対する人々考え方や行動の違いについて、どのように考えますか?
A: 確かに、アメリカには文化背景だけでなく、全く異なるデザイン観があるわ。デザインへのアプローチのしかたは、オランダのそれとは全く違うように見える。ヨーロッパでデザインと呼ばれるものは、アメリカでしばしばアート″と表現されるの。コンセプチュアルなデザインアイデアは、ここでは斬新に映る。この国のデザイナーの多くが合理的な考えのもとにデザインを行うし、コンセプチュアルなアイデアを製品に落とし込むという作業にあまり慣れていないみたい。全てのアイデアが頭の中の合理的な部分から生み出されているのよ。例えば、装飾的なオブジェクトは機能的であるのか、それとも誕生日の飾りつけのような単なる装飾であるのか、といった月並みな問題も、ここでは新しい議論になり得る。直接的な高い機能性を持っていない、頭の中で装飾やアートとしての役割を果たすようなオブジェクトは、デザインではないと、この国の多くの人々が考えているから。

当初、4年以上はアメリカに滞在しないと考えていたのだけど、これまで本当に良い経験をしてきたし、ここでまだ新しく学ぶこともあるわ。ここには若いデザイナーのための大きなマーケットがあって、販売店もデザイン製品にとても協力的よ。彼らは常に一番新しいものを捜し求めているの。斬新で新しい作品に意欲的で熱意のある環境に身を置くことに、今はとても楽しみを感じているわ。

だけど、やっぱりヨーロッパも恋しい。帰国すると、オランダは視覚的にとても満足させてくれるところだと改めて気づくし、デザインに関する議論もアメリカに比べて断然に刺激的なセンスで全く異なるものに感じる。この点が一番懐かしいところね。


D: デザインを学びデザイナーを目指す日本の若者に何かアドバイスをお願いします。
A: 批判を受け入れて、たとえそれに同意できないとしても、人々が言わんとすることに耳を傾けること。もし同意できないのなら、その理由を自分自身にきちんと説明しなくてはだめよ。デザインを説明する方法や、自分の考えを表現する方法を学ぶこと。自分のガッツや直感に従いながらも、なぜ自分がその選択肢を選んだのかを理解しようとすること。その選択こそが、自分を個性的なデザイナーにしてくれるものなのだから。

Thank you so much Alissia!
I totally agree with your lines about critiques which is a great way of thinking.


D: What brought you to be a designer?
A: Born and raised in The Netherlands, with a French mother and American father. My parents always dragged me to millions of museums, art shows and openings, gave me Picasso picture books. We also had a lot of design and art objects at home and would often go into design stores to look at new furniture with my parents.

Once it was time to go to University I decided to study Human Geography at the Geography Faculty of the University of Utrecht (in The Netherlands), after 6 months I realized it wasn’t the discipline that I wanted to pursue a career in. The next 6 months were dedicated to catching up with the classes in the Art History Department also at the University of Utrecht. Early 1995 I got a tour from a friend at the Design Academy Eindhoven and decided to present my work and to try and get in, at the time it was very hard to even get admitted into the school.

Once I finished the Design Academy I felt like I had more room to grow and started my own Studio in The Netherlands doing all kinds of projects, from interiors, to packaging. Two years later I started my Masters in Industrial Design at the Rhode Island School of Design. I wanted to see my work in a different perspective, moving to a different country with a very different design culture would teach me a lot about my designs as well as the design world outside Europe.
Design (and life) is very different in the US than what I am used to. I have also learned a lot about manufacturing and selling products, by working at different companies and freelancing here in theUS.

All these experiences formed me as a designer.


D: Who is the designer you respect the most? And in which way has she/he influenced you?
A: Jacques Tati, Picasso (especially my picture book that I had when I was little), Jaime Hayon, Bruce Naumann, Rei Kawakubo, Dan Flavin, Sol Lewitt, Issey Miyake and Yohji Yamamoto, Stefan Sagmeister, Martin Parr (photographer), Marti Guixe. Konstantin Grcic (his angular designs), Bruno Munari (his hand gesture book, the way he wants to teach people things about drawing, design, etc), Naoto Fukazawa (poetic + simple), Hussein Chalayan (complex simplicity), Olafur Eliason, Borek Sipek.

This piece by Jean Dubuffet: http://www.kmm.nl/research-publication/2?lang=en

But the most important part in my opinion to be able to design a strong design is to be able to take criticism and work with the critique you get and not take it personally, but use it to your advantage. It is a good thing to have people talk rather than walk by your work, it's a compliment, it means it evokes an emotion. In the US however there is a completely different way of working, negative critique is not seen as something good even if explained well. By always saying all is great you do not challenge anything and this will not make the quality of design better. This is something I struggle with here in the design industry and which sometimes makes it hard to work here. Because you do not really know what people think, you cannot gauge the quality of your work as well.


D: What inspires or leads you to new creation?
A: Daily life; the things around me that trigger my thoughts and my instincts.
I would like my products to have a certain simplicity, but simplicity is a complex thing to achieve. The story behind a product is a key factor. The concept behind my products is to tell a story with a simple object. This object has to embody many things without it cluttering the viewer's thought.

D: Are there any materials or innovations that you would like to try in the future?
A: Yes, am always interested in working with new materials and innovations. At this time it is more about materials than innovations, like we are having some pieces Rapid Prototyped since they cannot be made using acrylic as they were initially designed to be. Also working on new textile pieces as well as furniture and lighting pieces that would be rotational moulded.

D: Have you ever been to Japan? If you have, where did you go and how did you like it?
A: No, I have STILL not been to Japan, have been planning to go for years during the Design Week and every year something comes up around that time.

D: What do you think about Japanese cultures or traditions from a design perspective?
A: The Japanese design culture is very inspiring. It is very simple, incredibly innovative too. The other part I really enjoy in the Japanese design is the humor. I find it very similar to the Dutch humor, maybe this is why I appreciate it so much.

D: How is the city of NY like, in good or bad way?
A: NYC is a great place to be and at the same time it can be an awful place to be. (probably like many cities in the world).

There are always things to go see and do. There is an incredible amount of energy and you can barely follow it all. That I think is the bad thing, for me personally, at the same time. I feel like there is too much going on at times and just crave peace and quiet. For instance, Sundays are never really Sundays as all shops are open and all things run as they normally do. I am used to a “forced day of nothing”, forced to do something else than going out to run errands, or do what you do on Monday – Saturday.
But New York is New York, so it has to be that way and it just has so much energy that you have to remain energetic and go and do a million things. I am sure that if and when we move away from here it will be hard to be in a place that is not like this.


D: You have a transcontinental background both Netherlands and United States. What do you think the difference of the way people think about design or the way people act between two continents?
A: The USA has been indeed very different design wise but also culture wise. There seems to be a very different approach to design here then in The Netherlands. What we call design in Europe, is often called “art” in the US. The idea of conceptual design seems to be newer here in the US. Most designers here design from rational thoughts and are not very well trained in being able to convert conceptual ideas in to a product. All ideas come from a very rational place in the mind. The age old question for instance of is a decorative object functional or is it just simply a decoration like birthday decoration. This question is new here, since most people see those objects that are not directly highly functional and only designed with the function in mind as decoration or art, not design.

At first I did not plan to stay in the US more than about 4 years, but I’ve had very good working experience here and I am still learning new things. There is also a large market here for young designer’s work. Retailers are extremely supportive of design work. They’re always interested in getting the newest things. At this time it is very interesting to be in this environment that is motivating and hungry for fresh and new work.

But I do miss Europe. I do notice that I find The Netherlands extremely visually pleasing when I go back. Also the conversations about design seem to be very different and in a sense much more motivating than in the US, this is what I miss the most.


D: Any advice or tip to young japanese who are studying design and aim to be a designer?
A: Learn to work with criticism, even if you do not agree, listen to what people have to say. If you don't agree, then try to explain to yourself why not. Learn how to speak about design and express your thoughts. Follow your gut instinct but try to understand why you make the choices you make. Those choices are what make you the unique designer you are.
posted by DL at 13:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | interview

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